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「自転車に乗れない日が3日続くと体調が悪くなる」。ロードバイクでのサイクリングを愛した孤高のロッカー・キヨシロー氏はかつてそう語った。

私もそこまでではないが、移動手段としてのほかに、季節を問わず週に一度は6~7時間自転車に乗ることにしている。それができないと、何かが身体の中に溜まってくる気がする。

しかし今日は予報によると「最高気温35℃ 屋外はもちろん、屋内でも熱中症対策を万全に」。
なかなかにハードな条件だ。

自宅から3分の荒川の土手に出ると、案の定、ドライヤーの熱風のような風が吹いている。
こんなときはなるべく、日差しを遮るもののないサイクリング道をさけ、樹木の多い道を走る。
これだけでずいぶん違う。

クルマが少ない道を選び、いつもとは違う方向へ進む。おおよその方角さえ誤らなければ、それほど迷わないはずだ。見慣れない景色が新鮮だ。

きれいな水が流れる小川を見つけた。魚が悠々と泳いでいる。
それにしても暑い。飲料水を飲んでも飲んでもすぐにのどが渇く。こんなとき公園などがあれば、頭から水をかぶってしまおう。体温が下がるし、すっきりリフレッシュできる。

小川にそって進むと、道は未舗装路になった。かまわず進む。夏草の匂いがすがすがしい。
そのまま進んで行くと別の大きな川に突き当たった。この川沿いの道も未舗装路だが、どんどん行く。
見渡せば一面の田んぼに稲がすくすくと育っている。
ふと立ち止れば、小鳥のさえずりと、木の葉がこすれる音だけが聞こえる暑くて静かな午後の世界。

向こう岸に渡り、広々とした景色の中を気の向くままに走っていると、いつのまにか荒川に戻ってきた。
このへんの荒川は幅が狭く、川が道のそばまで迫っていて、都内の荒川とは別の川のようだ。
クルマが入ってこれないので、ネコも道の真ん中でまったりとしている。

「やぁ元気?」と声をかけると、「ニャ~」と人懐っこい声が返ってきた。そうして、日が沈むころ、出発地点の「荒川シングルトラック」に戻った。


それにしても、今日はちょっと水を飲みすぎた。