地球に落ちてきたのうさぎマリオ

萩原水音です。このブログはなるべくPCまたはタブレットでご覧ください。

太陽系調査員マリオくん、下町サイクルカフェを探すの巻

やっほ~!のうさぎマリオだよ!げんき? 
東京下町にも「珈琲ばか」のようなハートウォームなカフェがないかな、と平日の午後、ちょっと探しに行ったにょ。
サイクルカフェっていうの? 自転車で行きやすくて停めやすいの。あれがいいよね!下町にもないかな?
あったらいいな!

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やぁ、荒川にはドライヤーの熱風のような風が吹いているよ。これ、梅雨じゃないよね。
これでも「梅雨明け」してないと言い張るのかな?w

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おばけサボテン。東武スカイツリーラインを覆わんばかりの勢いだよw。表面のトゲトゲを取って、薄くスライスしてさっとゆがいて、おひたしにしたら美味しいんじゃないかな?(ギクッ←サボテンの気持ち)

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あちこちうろうろしてまつが、どうも落ち着けるところがないにょ。ちょっと庭園で一休みにょ。
ふう~、ここはどこなんでしょう。ま、わかんなくてもいいよね。
細かいことは気にしない、気にしない(おいおい)

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はいっ!堀切菖蒲園の本屋さんにワープしたにょ! この売れ筋商品の掲示板とか、
昭和チックでグッとくるにょ! となりの魚屋さんでは、美しく盛り付けされて今すぐ食べられるお刺身が絶賛発売中!おいしそう! 
もう午後五時だし、こういう肴でお酒が飲みたいでつが、調査中は飲めないのでありまつ!(悲)


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本屋さんの店頭には、昔の堀切菖蒲園の様子を写したモノクロ(ももクロではない)写真が展示されていまつ!ぼく、こういうのに興味津々でつ!本業は「太陽系調査員」でつから!

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氷屋さんの裏手では、ぬこさんがご飯をもらっていたにょ。
ぼくもぬこさんに変化(へんげ)しようかな?この惑星では、
うさぎよりぬこさんのほうが楽に生きれる希ガスw

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この惑星の高名な写真家・木村伊兵衛さんぽく撮ってみますた(どこが?)。
それにしても「下町サイクルカフェ」はどこにあるんにょ。つうか、この星において
「喫茶店文化」は絶滅してしてしまったのかにょ?なんて思いもよぎるんでつが!

まて次号!(ん?)

<追記>
やっぱりこの日、梅雨明けしてたにょ! 過去もっとも早い梅雨明けだそうにょ!
こりゃ早く「下町サイクルカフェ」を探さないと! え?おおげさだって?
うさぎは暑さに弱いんだにょ!



渡良瀬の風はどっちから吹いてる 後編

Sさん、生まれたての仔犬が5匹も!」

 

「本当だ!こいつら、まだ目もあいてないみたいだ。ひどいことするなぁ!」

 

「どうします?この炎天下、このままだと死んじゃうかもしれませんね」

 

「かといって、持って帰るのは無理だし、見たところ周りに日陰もないなぁ。う〜ん、困ったな」

 

「じゃ、とりあえずこうしましょう」

私は、段ボール箱のふたをずらして、仔犬たちに直射日光があたらないようにした。

「ごめんよ、近所の人かドライバーに見つけてもらうんだよ」

後ろ髪を引かれる思いで、私たちはその場を後にした。

「ごめんよ、ごめんよ…」

 


さて炎天下、佐野への距離は徐々に縮まっていった。しかし気づけばもう昼近く。
「Sさん、そろそろ、どこかで食事にしませんか?」

 「そうだね、この辺に食べるところあるかな?」

「とりあえず下道に下りましょうか」

私たちは炎天下のサイクリング道路を離れ、
旧街道らしき道に出た。

「見たところ、食堂っぽい店は見当たりませんね。少し走ってみますか」

私たちは先ほどまで走っていたサイクリング道路と並行するようにその旧街道らしき道を進んだ。少し行くと、商店が点在するところがあり、一軒の中華料理店が目に留まった。

「あそこでいいんじゃないですか。他にこれといった飲食店もなさそうだし」

「これ以上探してもなさそうだね」

私たちは自転車を停め、汗を拭きながらその小さな中華料理店に入った。そして、クーラーがついていない、窓を大きく開け放った店内の椅子に座ると、なるべく腹持ちのいいものを、ということで炒飯と、そして瓶ビールを注文した。

もう時効かと思うが、もちろんこれは飲酒運転にあたる。しかしこの日は、冷たいビールがたまらなく飲みたくなるほど暑かったのだ。今ではこんな、イカニモ、といった自転車のウエアを着てビールを注文するような行いは、世間が許してくれないだろう。


食事をすませ
、ボトルに水をもらうと、私たちは再びロードにまたがり、炎天下へ走り出した。燃料を補給したので脚の動きは良好だ。川を渡ってくる夏の風に吹かれながら快調に走る。江戸川が利根川から分岐する地点を過ぎ、あたりには利根川の広々とした風景が広がっている。


利根川の長い橋を渡ると、渡良瀬遊水地だ。オオヨシキリがにぎやかに鳴く広大な草原を横目に、渡良瀬川へのルートを確認しながら堤防上の道を進む。

…と、私たちの前に思わぬ障害が立ちはだかった。堤防上の道に強固そうなバリアが設置してあるではないか。バリアは堤防の下のほうまで続いており、これ以上は進めないようだ。しかし、バリアの先にはここまでと同じように道が続いている。

「ありゃまいったな。ここまで来て。なにか立て札とかありましたっけ」

「う~ん、見なかったなぁ。困ったね。さっきの橋まで戻らなきゃならないのかな」バリアをじっと見つめる私たち。

「仕方がない、上を行きますか」私たちはロードを高く持ち上げてバリアの向こう側にぶら下げ、そろそろと地面におろすと、今度は私たちもバリアによじ登って向こう側に移動した。これももう時効だと思うが、この行為は法的には「不法侵入」にあたるのかもしれない。しかしバリアの向こう側には、どう見ても自転車で走行するのになんの問題も無く見える河川管理用の道が続いているので、自己責任で強引に突破したわけだ。

そうして渡良瀬遊水地を過ぎ、風景は渡良瀬川がのどかに流れる田園風景となった。

「もうすぐですね」

「20年以上会ってないからなぁ。ドキドキするなぁ」

ついに佐野の町に到着した。Sさんは元カノさんの店の場所は頭に入っているらしく、迷うことなく市内を進んでいく。そしてある一角でロードを停めた。

「あそこだね」

「じゃ、私はここで待ってますから、ちょっと様子を見てきてください」

「うん」

そして数分後Sさんが戻ってきた。

「早かったですね」

「店、休みだよ」

気が抜けた表情のSさん。せっかく100km近くの道程を走ってきたのに休みとは。

「電話でもしてみたらどうです?」

「いやぁ、突然訪問するからびっくり!なんで、電話してからじゃ盛り上がらないよ。ごめんね、つきあわせちゃって」

今は何をするにもまずネットで下調べしてから…になるが、当時はまだそれほどのネット社会ではなく、こんなことも往々にしてあったと思う。かくして、Sさんの「どっきり」は未完に終わったというわけだ。

「せっかくだからどこかで食事していきませんか」

「いやぁ、帰ってうちで飲もうよ。金がもったいないし、輪行して帰れば明るいうちに着くんじゃない?うちでゆっくり飲んだほうがいいよ」

「それもそうですね」

とぼとぼと駅に向かう私たちであった。そそくさとロードを袋に入れ、車中の人となる私たち。Sさんは炎天下のライドで疲れたのか、レーパン姿のまま座席にぐったりと腰を下ろしている。私は席には座らずにロードの入った袋を脇にかかえて車内の隅に立っている。土曜の午後ということもあって車内は家族連れなどでかなり混雑していて、大きな袋を携えたサイクルウエア姿の二人は歓迎されない存在であることは確かだし、場違いな存在でもある。車内は冷房が効いていて快適な温度に保たれてはいるが、子どもたちの騒ぐ声を聞きながら、私は不発感、あるいはここは私たちのいるべき場所じゃない感とでも言おうか、そんな居心地の悪さを感じて沈黙していた。

「Sさん、降りましょう。まだ陽が高いのに、電車に乗ってるなんてもったいないですよ。自転車に乗りましょう」

「そうする?」

Sさんも居心地の悪さを感じてはいたようで、次の駅で降りることにした。電車を降りてロードを再び組み立て、また利根川から江戸川のルートで帰ることにした。復路はあまり会話を交わさなかった。Sさんは元カノさんに会えなかった残念さをふりはらうようにいいペースを保ち、私はついていくのに苦労した。

そして陽が沈むころ都内に入ったが、Sさんのいいペースはなおも続き、とうとう見失ってしまった。暗くなった道端で携帯を取り出し、Sさんを呼び出してみたが、呼び出し音が鳴るばかりで電話に出る様子がない。仕方なく私は一人、小さなライトをたよりに荒川沿いをとぼとぼと帰った。
夜もだいぶ更けたころ、Sさんから着信があったようで、留守電にメッセージが入っていた。

「Sです。今日はどうもありがとう。また一緒に走りましょう」


そんなことがあってから、Sさんはますますロードにのめり込んでいったような気がする。


おわり

渡良瀬の風はどっちから吹いてる 前編

あれは、どのくらい前のことだったか…。

 

 

「佐野に自転車で行かない?渡良瀬までの道は知ってるんだよね?」

 

ホノルルセンチュリーライドに一緒に参加したSさんから電話があったのは、梅雨も明けようかというムシムシした日だった。サイクリングクラブ仲間であるSさんと私は、偶然にも「リストラ仲間」でもあり、妙な連帯感があった。妻子を抱えているSさんと極楽とんぼの私との間に収入および背負っているものの点で大きな差があろうとも、だ。

 

なぜ佐野なのか、聞けば大学時代の「元カノ」さんが佐野で日本料理店の女将を務めているというので、ロードレーサーにサイクルジャージ姿で突然訪問し、驚かせようという計画だという。そこで、ルートを知っている私に白羽の矢が立ったというわけだ。道中にトラブルがあった場合も二人のほうが対処しやすいだろう、という。

 

なるほど、それは面白そうだ。ただしSさんが元カノさんに面会するときは、私は黒子に徹して「巨人の星」の明子ねえちゃんのように電柱の陰に隠れて見ていたほうがよさそうだ。渡良瀬遊水地までは自転車で行ったことがあるが、佐野はその先になる。サイクリング道路メインだと、片道80kmくらいだろうか? 佐野、どんな町なのか、興味がわいてきて、計画にのることにした。

 

しかし、私が道を知っているとはいっても、途中まで行ったことがある、くらいなのが少々不安材料だ。以前、地図も輪行袋も持たずに渡良瀬方面へサイクリングに出かけ、「やっぱり空身は楽だね~」と上機嫌で走っていたはいいが、渡良瀬川と利根川が合流する辺りでルートを見失い、同じところをぐるぐる回り、あげく陽は暮れてくるわ雨も降りだすわで「これ以上は無理。リタイアだ」と判断。ようやくJR古河駅までたどり着いたが、輪行袋を持っていないので電車に乗せられず、タクシーにロードレーサーを積んでもらい大枚はたいて帰京した、という情けない実績くらいしかないのだが…
 

まぁ大のおとな二人、大丈夫でしょう!輪行袋も持っていくし、と当日を待った。

 

 

さて「元カノライド」当日の朝。

おりしも梅雨が明けたとのことで、立っているだけで汗がじわじわと吹き出す真夏の陽気となった。「さて、出発しますか」Sさんはまぶしい黄色のジャージに身を包んでいる。黄色いジャージといえばマイヨ・ジョーヌ、マイヨ・ジョーヌといえば当時はなんといっても時代の寵児「ランス・アームストロング」。かの人を思わせる容貌に加え、かの人と同じ「TREK5500」を駆っていることから、事あるごとにSさんを「ランス○○」と呼んでいるので、本人もそんな気になってきたようだ。

 

さて都内から渡良瀬方面へは、江戸川や利根川のサイクリング道路を最大限利用したいところだが、その前に都内を抜けなければならない。最短は水戸街道(国道6号線)を使うルートだが、トラックなどの大型車両を含む交通量の多さがネックだ。それに加えこちらは吹けば飛ぶよな道路競走車、路面状況にも気を配らなければならない。一人ならこそこそと脇道を走るところだが、同行者のSさんはクルマの多い道をものともしない闘争心の持ち主。私はここではSさんにアシスト役を務めてもらうことにした。普通はアシストされる方が強い選手と相場が決まっているのだが、江戸川に入ってからは私の方がルートを知っているので、適材適所、持ちつ持たれつというわけだ。

 

江戸川に入ると予想どおり真夏の太陽が照りつけていた。風向きは追い風基調だが、暑さに加え日陰が全くといっていいほど存在しないので、今日の闘いは苦戦が予想される。なんてね。

 

しかし江戸川に入るとSさんが不審な動きをするので、そちらの方が気になってきた。先ほどから、サイクリング道路から特定のメーカーの自販機が見えると、そのたびに下に降りるのだ。何かのマーケティング調査なのか?

 

不審に思い、何度めかに訊くと、

「いや〜、昨日は晩酌の焼酎が進んじゃってね。クラシック聴きながらロックでグイグイいっちゃったよ。そのせいか喉が渇くんだよね。俺、このブランドのアイスコーヒーが好きなんだよね」

 

…なるほど、そういうことですか。

 

そうして度々アイスコーヒーストップをしながら炎天下、徐々に佐野への距離を縮めて行く。何度めかのアイスコーヒーストップのとき、私は土手の斜面にまだ新しい段ボール箱が置いてあるのに気づいた。

 

どうも気になったので箱に近づき、中を覗くと…

 

「あっ!」段ボール箱の中には生まれて間もない仔犬が5匹も入っているではないか。 


つづく




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